頚椎ヘルニアとは?
頚椎(首の骨)は7つの骨で構成されており、頚椎ヘルニアとは骨と骨との間にあるクッションの役割をしているのが椎間板が何かの動きや理由で飛び出ることを椎間板ヘルニアといいます。
頚椎症が骨の変形や骨棘ができることによって神経を圧迫して痛みやしびれなどの症状を引き起こすのに対し、頚椎椎間板ヘルニアは飛び出した椎間板が神経を圧迫することで痛みやしびれなどの症状が起こります。
椎間板ヘルニアというと「腰椎椎間板ヘルニア」が有名でその症状は腰の痛みや足の痺れなどです。
頚椎椎間板ヘルニアは、首が痛くなったり腕や手が痺れるといった症状が出ます。
その他にも実は首や肩の痛みや頭痛の原因としてとても多いのです。
後発年齢は60歳以上の方で4人に1人くらいは症状がなくてもレントゲン写真上では骨が変化しています。
一方、頚椎ヘルニアは20-30代の若い世代によくみられます。
頚椎ヘルニアの症状について
頚椎ヘルニアの症状は、飛び出した椎間板が脊髄そのものをどの程度圧迫しているか、あるいはどの神経や神経根を圧迫しているかによって変わります。
そのため、頚椎ヘルニアは「首」「肩」「背中」「上腕」「前腕」「手指」と広範囲に痛みや痺れが発生します。
圧迫の程度が軽いときの主な症状は、首の後ろや肩、腕の痛み・しびれです。これらの症状は、少なくとも日常生活は送ることができるという点で軽 い症状と言えます。
圧迫される神経の場所によって、片側の腕だけに痛みやしびれがでたりします。
神経への圧迫が強くなると、手足の動きが悪くなってきて、麻痺のような重い症状に進行します。
最もひどい症状は頚椎ヘルニアの要因がありつつ首に強い衝撃が加わったときに”脊髄損傷”の状態となった時で、両手両足が全く動かなくなってしまう場合もあります。
頚椎ヘルニアのタイプ
頚椎ヘルニアは以下の4のタイプにわけられます。
一般的に、内側・外側、どちらから神経根が圧迫されるかによって、体の傾きが現れます。
これは、体が痛みを回避するために無意識に現れる為です。
頚椎ヘルニアのタイプ①膨隆型
椎間板の中身(髄核)が移動してカバー(線維輪)が膨らむ。
頚椎ヘルニアのタイプ②膨隆ー突出型
椎間板の中身(髄核)がカバー(線維輪)からはみ出して後縦靱帯(PLL)がふくれる。
頚椎ヘルニアのタイプ③脱出型
椎間板の中身(髄核)が後縦靱帯を突き破って脱出する。
頚椎ヘルニアのタイプ④脱出遊離型(移動型)
後縦靱帯を突き破って脱出した髄核の一部が脊柱管内に遊離する。
脱出型ヘルニアは激しい症状のわりに、数ヶ月で症状が軽くなるのが特徴です。
逆に膨隆型ヘルニアは長引くケースが多いのが特徴です。
頚性ヘルニアに似た症状
頚椎ヘルニア以外にも肩の痛みや腕、手の痺れを伴う病気もあります。
どれも頚椎ヘルニアと似たような症状が出ますが、引き起こす原因は全然違います。
頚性ヘルニアに似た症状①変形性頚椎症(頚部脊椎症、頚椎症)
椎間板の老化現象で、年齢とともに誰でも変形します。
変形があっても必ずしも痛いわけではありません。
無症状のまま一生を終える人も多いです。年齢とともに次第に悪化するケースが多いです。
椎間板の老化によって椎間板が潰れて、椎骨の椎間板付着部の椎体から骨が出っ張って棘ができ(骨棘)神経を刺激する。
症状はさまざまです。 頚(首)~肩の痛み、肩こり。
頚(首)を後ろに反らすと症状は悪化します。無症状の人もいます。
骨棘が神経を圧迫するものを神経根症(頚椎症性神経根症)と言い、 骨棘が脊髄を圧迫するものを脊髄症(頚椎症性脊髄症)と言います。
頚性ヘルニアに似た症状②頚椎後縦靱帯骨化症
頸椎を補強している靭帯組織のうち椎体後方、すなわち脊髄(せきずい)の前方に位置する後縦靭帯が骨組織になり、肥厚してくる病気です。
骨化した靭帯は、頸椎の可動性を減少させながら脊柱管(せきちゅうかん)内で脊髄を徐々に圧迫し、麻痺症状を引き起こします。
日本で最初に報告された疾患であり、治療法も主に日本で発達してきました。
とくに中高年の男性に多くみられます。糖尿病を合併している人が多い傾向にあります。
頚性ヘルニアに似た症状③胸郭出口症候群
胸郭出口症候群とは、鎖骨や肋骨周辺の筋肉が血管や神経の通り道を圧迫し、肩甲骨周辺や腕・手指にしびれやだるさ、痛み等の症状を起します。
酷くなると筋力や握力の低下、特定姿勢時だけに症状が悪化し、生活や仕事に支障をきたします。
首や肩・腕を特定の位置にすると、肩甲骨周辺や腕・手指にしびれやだるさ、痛みなどが現れます。
頚性ヘルニアの原因
首の骨は重さが6~8キロもある頭を支え、上下左右に動かしたり、回転させたりと、複雑な動きをコントロールしています。
それだけに首には日ごろから大きな負担がかかります。
原因①長時間に及ぶパソコンやデスクワーク
頚椎を横から見た場合、自然に30~40度に前湾カーブしていなくてはいけません。
しかし頚椎が正常な曲線ではなく、30度以下になってしまうと、頚や肩に障害が発生します。
これを「ストレートネック」と言います。
猫背などの悪い姿勢でストレートネックになると、重い頭を支える頚部に余計な圧力が加わります。
その結果、頚椎の椎間板に障害が発生します。この姿勢の悪さが原因で頚椎ヘルニアを発症します。
原因②体を捻ったりするスポーツ
ゴルフやサーフィンなど体のひねりが激しいスポーツを行っているときや、長時間同じ姿勢から急に体を動かすことでも骨に強い衝撃がかかり椎間板ヘルニアの引き金となります。
原因③年齢による骨の老化
発症するのは40代以上の人達が目立つので、その主な原因としては骨の老化が考えられます。
頚性ヘルニアの予防①姿勢に気をつける
背筋をのばして、アゴをひく。
正しい姿勢を保つことで、ヘルニアの発症も抑えることができます。
長時間パソコンに向かう仕事の方は、猫背になりがちです。
家事をするのにも洗濯物や料理、掃除なども首を反ってしまい負担がかかってしまう場合があります。
常に姿勢を意識し、体に負担をかけないことが、頸椎椎間板ヘルニアの一番の予防法と言えるでしょう。
頚性ヘルニアの予防②自分に合った枕を選ぶ
頚椎に負担のかからない姿勢を心がけることが大切です。
そこで重要になってくるのが枕選びです。
ポイントとしては「自分の首に沿った形の枕を選ぶ」ことです。
まずは高さが問題になります。
他には枕の材質もさまざまあります。
枕の形ができるだけ崩れにくものを使った方がいいので柔らかい材質を使っている人は少しだけ固めのものを使ってみてもいいかもしれません。
実は枕はレンタルすることも可能なので、いくつか試してみて自分にあったものを選ぶもの手です。
次に、眠る姿勢です。
ここでもっとも気をつけなければならない姿勢がうつぶせで寝ることです。
うつぶせ寝は、腰付近の背骨が極端に反り返っている状態であるだけでなく、顔を左右どちらかに向けているので、首に大きな負担をかけてしますので最も注意しなくてはいけません。
頚性ヘルニアの予防③半身浴をして血行を促進させる
半身浴には、筋肉を温めてコリをほぐし、血行を良くする働きがあります。
その他にも自律神経を整える作用もあるので体の緊張をほぐすにはもってこいです。
あとは首にタオルをかけて冷えないように温めてあげるのもいいでしょう。
頚椎ヘルニアのやってはいけないこと①長時間のパソコンやデスクワーク
パソコンやデスクワーク時は必ず顎が前に出て猫背になりがちです。
これは最も頚椎に負担がかかってしまう姿勢です。
とくにスマートフォンは画面が小さくつい顔を覗き込むような姿勢で見てしまう方がとても多いので注意した方がいいでしょう。
若い世代でも長時間のスマートフォンが原因でストレートネックになり首の痛みや頭痛、めまいなどの症状で悩む方が増えています。
頚椎ヘルニアのやってはいけないこと②ストレスを溜めるおく
頸椎椎間板ヘルニアの症状が確認されても、必ずしも痛みを伴うわけではありません。
しかし、精神的ストレスが引き金となり、激しい痛みを生じる例が多く見られます。
頚椎ヘルニアのやってはいけないこと③首を反らす
首を反らすと、頸椎に負担がかかります。
つい仕事や家事など疲れた首を反らしたく気持ちはわかりいますが注意しましょう。
とくに首を鳴らす癖がある人は注意してください。
頚椎ヘルニアのやってはいけないこと④体を冷やす
体が冷えると、血行が悪くなるばかりでなく、筋肉が固くなります。
一時的に冷える程度であれば問題はありませんが、長期継続的に体が冷えている状態ですと、他の要因と重なり、頸椎椎間板ヘルニアを誘発する可能性があります。
まとめ
頸椎椎間板ヘルニアといっても様々な種類があり、治療方法もたくさんあります。
どれをどう選べば確実に頸椎椎間板ヘルニアが改善するのか?
それは、頸椎椎間板ヘルニアの原因から施術しなければいけません。
頸椎椎間板ヘルニアの原因は人によって違います。
股関節が原因の人もいれば、内臓が原因の人もいます。
当院では頸椎椎間板ヘルニアの根本的な原因を突き止めて、確実に改善していきます。